50年ぶりぐらいにはなるんだろうか、本当に久しぶりに≪嘉美≫と署名して、思ったことがあります。
両親の反対を押し切り、学生結婚した時以来、父母とは絶縁状態になりました。それが、長男が生まれたことをせめて伝えたいと、躊躇いながらも両親に電話をしたのでした。
すると、その翌日だったか、翌々日だったか、二人して横須賀のおんぼろアパートに訪ねてきたのです。部屋に入るなり取り出した半紙には「命名 嘉人」と。 ですから長男の名付け親は嘉一郎と言うことになります。 ちなみに次男は自分たちで名付けました。
子供もできたのだからと、それまで強硬に反対してきた母親も諦めたのか、それとも折れたのか。 父親は反対してはいなかったのです。
もしかしたら、両親も≪和解≫のきっかけを探していたのかも知れませんね。今はそう思えます。理由は何にせよこの≪嘉≫の一文字が、私たち夫婦と両親の絆を再び結び直してくれたことは間違いありません。
両親の晩年も看取ることができたのもそのお陰です。妻の献身的な努力も有ったことは言うまでもありません。