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岡本流生清内路通信

売れる作品の法則

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売れる作品の法則

先日、美博の展覧会を見に行ったとき、通路の壁に貼ってあった他館の展覧会のポスターを見て思い出したことがあります。そのポスターは、新版画家として活躍した笠松紫浪(かさまつしろう)の展覧会のものでした。

私が三十代の頃だったと思います。ひと月かふた月に一度、東京の取引画廊に版画を納めに回っていました。銀座や赤坂、新橋、青山など、7,8か所だったでしょうか。タイトルや価格を書き込める専用の台紙に作品写真を張り付けたものを店に置いてもらい、注文も取っていました。

確か、銀座の渡辺版画店でした。ご主人から「売れる作品には法則があるんだよ」と伺ったのは。
「風景なら、雪景色で建物は赤、前に傘を差した女性がいるもの」 この三つが揃った作品はよく売れると。

ここで言う赤は奈良や京都の寺社仏閣で見られる朱赤のことです。その売れる例としてご主人が示したのが、店頭に飾ってあった笠松紫浪の作品だったのです。

今思うと、海外のネットオークションでも、確かに紫浪や巴水のその手の雪景色はとても人気があり、高額で落札されています。 だからと言って、これまで私がそのような作品を作ったことはないのですが。

画商によっては、その当時の人気作家の作品を手に、あからさまに「こんなの作れない?」 「あなたの技術なら作れるでしょう?」という人もいましたね。

どれも、今は昔の話ですが。







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