寝ていて腕や肩がヒリヒリするので、また虫か?と思ったのですが、どうやら日焼けしたようです。もともと自黒なので気がつかなかったのです。息子家族と、ほんの一時間ほどですが川遊びをしたときでしょう。
アトリエの窓の外。蝶の通り道になっているのか、昨日あたりから、カラスアゲハやキアゲハが時々横切ります。子供のころ盛んに蝶を追った夏を思い出しました。鱗粉できらきら光っていた指先や膨れた柔かい腹の感触も。
新作「野辺の祈り」(全11版)を今日彫り終えました。墨版を彫り始めたのが先月の19日ですからひと月と二日かかったことになります。小品なので早かった。明日、摺りの指定書を仕上げ、梱包まで済ませたい。
「吉田博・遠志木版画展」のリストを作成していて思ったこと。やはり自作の版画の在庫に暇を見てサインをしなくちゃいけないなと。博先生の版画も遠志先生の版画も、自筆の鉛筆サインが有ると無しでは価格が二倍三倍も違うのです。遠志先生が亡くなる二週間ほど前、入院中の病室を訪ねた時、ベットで上半身を起こされ山のように積まれた版画にサインをされていた姿も思い出します。
美代ちゃん、タウンページ配りの仕事を中断し、版画制作に入ったそうです。今やっているのは地元の町内会から頼まれたもの。敬老会でお爺ちゃんお婆ちゃんに贈る肖像画だとか。「お金にはならないんですけどね」 「でも、やっていて楽しいから」と。どんな境遇でもそれを楽しみ、笑い飛ばす美代ちゃんなら、必ず道は拓けると、私は確信しています。