朝から「子猫をひろって」パート2 飛鳥版の線を決めていく作業をしました。その仕事中に思わず口を突いて出た言葉。本当に大きな声の独り言。他人には絶対見せられませんね。
顔を描きながら。(拾った子猫を抱き、嬉しくてうれしくてうっとり顔の変顔少女)
「たのしいしゃー」 「嬉しいシャー」 「何という楽しい日、わぁお」 「かわいいねぇ」 「ちょーかわいい」 ・・・やはり、他人には見せられないな。気味悪がられたりしそうで。でもそれだけこちらの気持ちを高揚させる力を持った顔だと言えます。
顔を描いていてこれだけ気持ちがルンルンしたのは・・? 思いつく限りでは、ブータンの「緑の谷の少女」を描いた時以来では?
でも・・・これが、だんだんと髪、指先、猫、髪に刺した花と描き進むうちに
「うーーーん」 「こりゃたいへんな仕事だわー」 「はんぱじゃないなー」 「細かい彫ばっかりだぁ」 「五か月はかかるかー」 「ほんとにやるのかー」と。
確かに人物の墨線、秋草のシルエットの二版だけでも三か月はかかりそうなのです。他の色版まで彫り終えるにはやはり五か月ぐらいはかかるでしょう。 こちらに来てからの一番の大仕事になりそうな。ちなみに猫は今回も黒猫です。しかも一番楽な後ろ姿。少女の首から下がる勾玉にじゃれつく様子。
そして・・・黒猫を描くたびに思うのは・・・クロスケクロリンのこと。 どこで、どうしているのかなぁ・幸せに暮らしているかなぁ。もし生きていればもう10歳は超えたおばちゃん猫です。
埼玉のコレクターのMさんからのお歳暮。 毎年送ってくださる美味しいお茶、御煎餅、鰹節や汐昆布などなど。ほんとうに選び抜かれた品に、≪美術品コレクターの眼と拘り≫を感じます。
このMさん、四国のとある町の古い酒屋を買い取り、抹茶じゃ屋を始めるそうです。そこにはこれまで集めてきたいろいろな自慢の美術品も展示するのだそうです。始まったら是非行かなくちゃ。そして、私の版画展もやらせていただきたいな。そうそう、もう一つ。さる6月の創造館での私の個展の時には彼の所蔵する私の作品もお借りしたのでした。
夕方からは昼神温泉で組の忘年会。もし鍋料理だったら・・・・鍋4連ちゃん!
最後にもう一つ、今日仕事中に思ったことを。
「作品てやっぱり作り手の心の鏡だなぁ」 「俺って根っからの抒情派」