忍者ブログ

岡本流生清内路通信

自画自解 28 望郷 その4

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

自画自解 28 望郷 その4

4. 版画家としての私の位置、私の作品の価値は?

日本の多色刷り木版画は、浮世絵以来、数百年の長い歴史を持ち、その技術の高さ、作品の質は世界中によく知られています。 しかし、近年、伝統的な技法で、オリジナルな制作を試みる作家は数少なくなり、今にもその伝統の継承が途絶えようとしているのが実情です。

私の知る限り、高度な伝統的技術を駆使して木版画を制作している作家は、世界中でも数人。 その中で、現代の美人画、人物風俗画となると、私を含め二人ではと考えられます。 (私の技術については、吉田司氏、木版画一家として世界的に知られる Yoshida Family の後継者で、木版画の権威、は、日本一であると評価しています)

また、私の作品は、江戸時代から明治初期の浮世絵、その後の大正、昭和初期の新版画、創作版画と言う、日本の木版画の歴史の流れの本流に位置し、それをさらに後世に伝えるべき架け橋になるべき立場にあると自覚しています


5. 私の作品、版木等を収蔵する意義は?

Ⅰ. 下絵、版木、作品を一括して保存する事により、作品を制作する過程が一目で理解できる。 これは、将来木版画家を志す者にとっても、また日本の木版画を研究しようとする者にとっても、大きな意味を持つと信じる。

Ⅱ. 彫りに於いては、一連の版木を見ることで、そこに施された様ざまな伝統的技術や、新たに創意工夫された新技法を学ぶ事ができ、摺の様子も版面に残された色の様子から、学べる事が多い。

Ⅲ. 14歳から版画を始めた私の(大学は海洋生物学専攻ですが)、初期から今までのほぼ全ての作品、版木を収蔵する事は、一人の人間がいかにして芸術家に成って行くのかを語る貴重な教材となり得るとも信じます。

以上の事から、私は今回の寄贈品が、来世紀、或いは更に先の将来には、オスロ大学文化歴史博物館の誇るべき宝になるものと信じます。


最後に私の希望、夢をお話しします。 それは、今回の寄贈、展覧会を通して、遠い異国であるノルウェーの地に、木版画の文化が花開く事、そしてノルウェーと日本との文化交流がいっそう盛んになることです。その為にも、今回の寄贈品が、博物館において有効に活用される事を願っています

最後に、ノルウェーは今年(2014ねん) 国連の調査で世界一生活が豊かな国に選ばれました、
PR

コメント

プロフィール

HN:
岡本流生
性別:
非公開

最新記事

P R