何かを始めようと思った時に「どうせ自分にはできっこない」と、諦めの気持ちが先に立つことがあります。そんな時に使えるのがこの≪とりあえず作戦≫です。

今描いている下絵「子猫をひろって」飛鳥編は、細かい図案の連続です。これを彫ることを考えると茫然。　気持ちはやるまえから逃げ腰になっています。それで今回は久し振りの≪とりあえず作戦≫で行くことに。

とりあえず薄美濃紙に下絵を清書する→とりあえず絵のサイズに合わせた版木を注文する→とりあえず美濃紙の下絵を版木に糊張りする

ここまでやれば後は自然と彫りたくなるのではないか。そしていったん彫始めれば、注文した版木代金（５万から６万円ぐらい？）を無駄にはできないと、けちな私はきっと仕上げまで頑張れるのでは・・・・・・

こんな感じの作戦です。


この作戦で仕上げた作品には「あの夏の日に」があります。もう二十年以上も前の話です。　山形で取材した廃屋の前で佇む少女の図。やはり廃屋の周りの夏草の叢に心が逃げたのでした。ただ、この時は彫り始めて二か月ほどであまりの辛さにいったん投げ出しその後何年も経ってから再開した経緯があります。

さて、こんかいはどうなるか。