気が付けば、いつの間にか、あの≪帰れない夢≫を見ることが無くなっていました。出先で脱いだ靴が、帰るときに見つからない。滞在中のホテルや或いは自宅へ戻る道で必ず迷う・・・・
これは、もしかしたら≪パニック障害≫を乗り越えたことと何か関係があるのでは、そう思えてなりません。このごろは電車やバスを乗り継いでいく≪旅≫が楽しく、待ち遠しいのですから。
この4日間、雪の版にかかりっきりです。A3ほどの画面全体に降る雪は1000以上はあるでしょう。凹版なら電動で抜けば訳ないのですが、凸でやると決めた時から、この苦労は決まっていたこと。「もっと辛い版だってやってきたじゃないか」と、自分を励ましながらの彫りです。
司さんから、博の画集が送られてきました。毎日新聞社の主催で今年10月の河口湖美術館を皮切りに、再来年の1月までの間、国内各地を巡回する「吉田博展」のカタログです。
司さんの監修によるこの本、紙質が照りを抑えたものなので、これまでの博の画集に比べても版画の表情がよりオリジナルに近く見えます。
更には、司さんが書かれた博の生涯についての文、各章に書かれたコラムも、素晴らしいのです。さすが身近で見てきたものでなければ知りえないエピソードに溢れていて、新しい発見がいくつもありました。
とりわけ心に残ったエピソードは
1、博の「精華」と黒田清輝の「智 感 情」に関しての考察は凄い。
ここで、沼さんアからTEL。