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岡本流生清内路通信

うるさい虫たちと

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うるさい虫たちと

今日は朝から快晴、日中の気温も上がり春らしい一日になるようです。そうなると体の中の虫がまたぞろ騒がしく。 今日はいつもの≪どっか行きたい虫≫に≪なんないいことないかな虫≫まで加わって。

「旦那さーん、そんな疲れた顔して、たまには息抜きしたらどうですかい」 「そんな顔して仕事ばかりしてると、しわも増えていいことありませんぜ」

『うるさいなぁ、好きでやってるんだからいいだろう』『それに仕事は楽しいし』

「そんな、つくえにばかりしがみついて、木屑だすののどこが楽しいんだか」

『そりゃあ、人のやらないことを試したり、他の人には真似できないことに挑戦したりするのは楽しいよ』 『作品がうまく出来上がった時なんかは、鼻歌だって出るし、踊りだしたい気持ちにもなるしね』

「そんなこと言ったって、今までだってやってきたことでしょ」 「誰からも分かってもらえないし、だいたいみんな、その、新しいこととかいうやつに気づきもしてないんじゃないの」

『そんなことないよ、分かってくれる人だってたまにはいるよ』


「とにかく・・・どっか、行きません?」 地区の仕事も暇だしこんなチャンスはめったにないですよ」 「そうそう、そのうちそのうちなんて言ってたらかぼちゃも始まって忙しくなるんだから、今のうちに楽しいことしましょ」

『わかったわかった、それじゃぁ、桜が咲いたら独り花見をしよう』  『お弁当と、饅頭と濁酒持って』

「おっ、いいすねえ旦那さん」 「うん、なんか楽しそう、でも濁酒、無いじゃないですかい」
「そうだ、花見の前に妻籠においしいどぶろく仕入れに行きましょうや」 「旦那の好きな仕事・・・取材にもなりますぜ」 「帰りにはアララギ温泉に寄って!」


うーーーーん、二匹の虫、やるなぁ。負けそう。

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