阿南町和合のM家まで兄と出かけてきました。清内路からは車で５０分弱。春らしい気持ちの良い日差しの中、山また山のドライブは良かった。狭く曲がりくねった道でしたが、対向車も殆どなく無事到着。

急峻な谷間の集落。「多分、平家の落人の隠れ住んだ里もこんな処だったんだろうなぁ」と思わせるほど山深き里。　M家の母屋は県宝に指定されており、その座敷に飾られた泥人形のお雛様を見るのが今回の訪問の目的。

黒光りする太い大黒柱と梁、土間から上がったところには大きな囲炉裏も。古い民具なども見せて頂き、裏の建てられたご夫婦のお宅へ。この時見たのが玄関横に貼られた「カニ」と書かれた小さな紙。見回すと古い母屋も含め、住居の開口部には必ずこの「カニ」の札が。

ご主人に聞くと、節分の間は、鬼除け災い除けのために貼るのだそうです。カニのはさみを嫌い、鬼も入ることを避けると言われているようです。

新居の方は様式ストーブ、エアコンも備えたなまこ壁の大きな土蔵造り。そこで、ちらし寿司、地野菜のサラダを頂きました。　取れたてのフキノトウの天婦羅はほんと、美味かったなぁ。私の大好物なのです。

このお宅で、自作版画「青い服の少女」と久しぶりの再会。　一版多色版画で、個展のために一枚だけ刷ったもの。　沼さんからも「岡本さんらしいいい作品ですね」と褒められたものです。この再会は昔の恋人に出会ったように嬉しいことでした。

８月のお盆に来ませんかとお誘いを受けました。　是非伺うつもりです。