だいたいが忘れっぽい性格なので、「あれは、いつのことだったかなぁ」と思うことがよくあります。最近はさらに多くなったかな?
そんな中で、何年前のことだったか絶対に忘れないものもあるのです。一つはオスロでの個展。これは8年前の3月の事。すぐに思い出せるのは、東日本大震災があった年だからです。震災が3月11日。 私と妻が成田からヘルシンキ経由でオスロに向かったのが16日のことでした。
空港の出発ロビーは日本を脱出しようという外国のひとでごった返していました。普段は閑散としたビジネスクラス・ファーストクラス専用の受付カウンターにまで長い行列ができていました。逆にオスロから成田に向かう帰りの便はがらがらだったのも印象的でした。
個展中のマスコミの取材も、版画のことはそっちのけで、地震や津波、そして原発のことに集中したのも今となれば思い出?
もう一つ。飛騨高山、白川郷の取材をしたのが平成元年の一月。川崎の民家園で見た合掌造りの建物の美しさに惹かれ、これは是非白川郷を観てみたいと思っての旅でした。 まだ世界遺産になる前のこと。合掌造りの民宿には私たち夫婦の他には男の子とお父さんの一組が泊まっていただけ。
取材で集落の雪道を歩いていても殆どで会う人がいなかったぐらい静かなところでした。 で、この旅行の年を忘れないのは、飛騨高山の宿のテレビで小渕さんの例の「平成」と書かれた額を掲げているシーンを見たからです。
その「平成」も後ひと月あまりで終わります。次の新しい元号も四日後には発表が。さて、どんな元号になるんだろう。 噂されている「永安」とか「永和」なんだろうか。
私にとっての平成は? 一つはパニック障害との共生の時代かな? もう一つは妻との間の溝が越えられないほどになった年月?