「家路」の背景の色違い、ビフォアー・アフターについて、今日一日仕事をしながら考えました。どちらで作るべきか。
背景の山、一番近い山を新緑の黄緑にして、もう一段後ろの山並みの色を濃い目に替えたアフターバージョン。実は描いているときに気づいていたのですが、直す前より山が前に出てきてしまいます。その分奥行が狭まり、遠景の家も前に出てきて、主役の女子二人の周りの広がりが無くなり、人物も大きく見えてしまうようです。
色の濃淡による≪空気遠近法≫が効かなくなったのですね。
安曇野の帰りに車窓から見たカラマツの新緑、その後の白樺やさくらの若葉の鮮やかな黄緑。これはまさに≪青春の色≫ しかも以前作った「若草の丘」で、黄緑の草の丘を強調したことによる成功体験もあり、ここは二人の女生徒の≪青春真っ盛り≫を象徴する意味でもと描いたのですが・・・
画面全体の感じは確かに≪青春的感覚≫に近づいた気もするのですが、人物の周りの色彩が密になりすぎ、つまり背景がかっちりしすぎて広がりが消え、女子二人も切り張りしたかのような収まりの悪さが見えてしまいます。
以上の事は、前回のブログにビフォアー・アフターの写真と共に文章をUPしたときにすでに感じていたことなのですが、ブログを見た誰かから同じ感想が来るのを期待していたところがあります。他の人の目で見てもやはりそうなんだとなれば、迷いも吹っ飛びますから。(惠子さん、ありがとう!)