朝から版画三昧の一日。「家路」の追加用色版の版木をカット、「少女曲技図 壱」の一枚目の色版の彫り、一版多色から多版多色に作り替える二作品の準備。
作り替える作品は「青い服の少女」と「トニーは朝一番のグレイハウンドで町を出て行った」あるいは「さよならも言わずに」
どちらも目に力があり、少女の感情や心の中まで表現できそうな期待がある作品です。裏からも透けて見えるような薄い和紙に描き上げていた下絵の線にも手を加えました。繊細で流れるような線から、揺れるような荒い線に、これは少女の抱く≪不安≫ ≪苛立ち≫ ≪恐れ≫を絵に込めたいなと思って。この辺は、ドイツ表現派の単色木版画を意識しています。
桜の版木に、修正が終わった版下二点分を貼り付け、今日の作業は終わり。「楽しきかな版画 良きかな人生」 これが今日の独り言。 これほど版画に集中できた時代は・・・これまでの人生でもそうは無かったから。
滋賀の摺師、原さんから「冬の山畑」の試刷りの画像がきました。4種類の摺り色の違いがある画像を観ながら、どの部分はどの写真の色で行くかなど、一時間近く電話で細かい打ち合わせを。小品ですが本摺りが上がってくるのが楽しみです。
雨が降り始めました。駐車場の隅に植えたヒマワリの苗に、水をやりに行かなくて済みます。
来月の4日には、東京から我が家にお客様が吉田博の版画を観に来る予定です。 東京もここ南信州もコロナが収まっているとは言えません。予定通りお見えになれるかなぁ。