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岡本流生清内路通信

一版多色の表現の可能性

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一版多色の表現の可能性

朝起きた時のアトリエの室温は21度。少し靄がかかりどこかの高原?と思えるほどの涼しさ。昔、山に囲まれた場所で版画を彫ったらどんなに気持ちが良いだろうと憧れたことがありました。それで、夏休みに、彫りかけの版木持参で法師温泉に宿泊したこともあったなぁと思い出していました。 それが今は毎日がその環境、幸せなことです。


「モネの池」の二番、問題続出です。 まず、桜の版木、山桜でないのか、質が悪く彫るのに細心の注意が。やはり値段は高いけど、専門の版木店から仕入れたものは違います。それでも昔よりは質が落ちてはいますが。 前に吉田家から「父の残した版木の在庫があるので使って」と頂いたものは、本当に素晴らしい版木でした。

浅草に版木専門の板兼と言う店がありました。そこで手がんなで仕上げた板は二枚合わせるとぴったり吸い付く様に重なり剥がすのにも力が要ったと言われていました。高価なので私は使わずじまいでしたが、今思えば、一度ぐらいは使ってみたかった。

次の問題は、木目。今回の二番は、水の面の表現に、摺りで版木そのものの木目を出したいと考えています。そのため摺師の沼さんにも聞いて、朴の木がいいだろうとなり、念のため、桂も注文。今日、届いた版木を用いて、木目がどの程度出るか、試し刷りをしてみました。 それが・・・うまくいきません。 これは紙や湿りを変えて明日もう一度やるつもり。惠子さんから頂いた朴も加えて。


午後、一夫さんが102点の一版多色摺り版画持参で来訪。モンブランと美味しいお肉もお土産に頂きました。いつもいつもありがとう!

さて、その版画、始めたばかりの頃からみると、格段の進歩! 色使いの奇抜さ、新たな技法への挑戦も相まって、こちらの想像を超える作品群に成長していました。 伸びやかで自由な発想が生きていて、「一版多色版画」の表現の可能性の限りなさを私に教えてくれました。


さて、色々版木を注文したので、支払いはかなりの金額。今年は展覧会の売り上げもなく厳しいので、年内は今ある版木の在庫で何とかやりくりだな。



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