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岡本流生清内路通信

烏兎怱怱

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烏兎怱怱

だんだんと≪忘年会≫の予定が入ってきました。今のところ三っ∔1。 この+1は「大忘年会の前に小忘年会を」 と言う提案も有ったりするので。

年の瀬も近づくこの時期になるといつも思い出すことがあります。父のことです。中学時代、そして高校生になってもまだ、私は時々父に宿題を見て貰っていました。父に聞くと話が長くなるのが欠点で答えだけ教えてくれればいいのにと思うときもありました。

その日もそんな気持ちで父の書斎へ。質問は漢文の宿題で「…の意味にふさわしい四字熟語を書きなさい」 その中の一問「月日が慌ただしく過ぎていく様をあらわす言葉」

≪光陰矢の如し≫では四字熟語にならないし、なら漢文調に【光陰如矢】と書くのかと聞きに行ったのです。問題を見た父が即座に書いた言葉が表題の烏兎怱怱でした。

以下父の説明を思い出すままに書きます。長いのです。

「光陰矢の如しにはこの≪慌ただしく≫にふさわしい意味がない」  「『烏兎怱怱』」のそうそうが慌ただしいの意味だ」  「烏はカラスで太陽の象徴」 「昔の中国では太陽には三本足の烏が住んでいると考えられていた」 「この烏が日本に伝えられて神社の・・・・以下省略」 「兎は月の象徴、これは分かるだろう」  「だから、烏兎で太陽と月、つまり月日になるわけで・・・」

「それから、手紙の最後に草々と書くのもここから来ていて・・・・慌ただしく書いたふみなので‥‥以下省略」


こんな思い出。この時の他に長い人生の中でも、この言葉を聞いた記憶はありません。自分で使ったこともありません。

それにしても一度ぐらいは父のように、誰かからの難しい質問にさっそうと理路整然と答えてみたいものです。でもそんな機会も無ければその才もありません。


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