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岡本流生清内路通信

自画自解 狐月夜 その2

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自画自解 狐月夜 その2

今はメールで簡単にやり取りが出来、新作の写真も添付できます。芸術家にとってはよい時代になったと言うのに、そのやりとりをする相手の画廊がなくなってしまいました。

ここから話は更に脱線。 私は秘湯めぐりが趣味、(でしたが正確かな?)。 数はそう多くはないのですが、夏や冬の休みには妻といろいろ山奥の温泉へ出かけたものでした。 その中でも一番のお気に入りが“法師の湯”、その法師の湯へ行くバスのバス停に“月夜野橋”と言うのがあり、その名が放送されるといつも「なんだか、狐月夜と似た名前だな」と思ったものです。

(後、白黒の版画で「法師の湯 1、2」を制作、その宿に泊まった折りに館主に寄贈)


バスでは、与謝野晶子や若山牧水が、法師の湯を訪れた時に詠んだという短歌も放送で流れます。その牧水の歌。

やまかげは日暮れはやきに学校のまだ終わらぬか本読む声す    これはまるで清内路小学校を詠んだみたい!

えい、脱線ついでにもうひとつお気に入りの牧水の歌を。

かんがえて飲みはじめたる一合の二合の酒の夏の夕暮れ      これはまさしく私の事!


最後に作品についての真面目な話も。 背景には雲母(きら)摺りが使われています。また、この女性は狐ではなく、この池のぬし、白蛇の化身。 その証拠に腰の辺りに鱗が見えています。

もうひとつ真面目な話をすると、この作品を発表してから何年か後、この作品によく似た版画を発表した人がいました。まんざら知らない人でもなく、「真似したくなるほど、この版画を気に入ってくれたんだな」と考え、ことを荒立てることはしませんでした。

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