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岡本流生清内路通信

自画自解 28 望郷 その1

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自画自解 28 望郷 その1

28.望郷  シリーズ「初恋」より 2010年  15版

 現代木版画の、彫りと摺りの技術の一つの頂点を示す作品と思います。

2011年、オスロの文化歴史博物館が、開館200年の記念行事の一環として私の個展「浮世・過去それとも現代?」を開催することになりました。 開会式に出席するためオスロに向かう時、丁度刷り上ったばかりのこの作品を二枚持参したのでした。 一枚は博物館へ寄贈するため、そしてもう一枚は、博物館への寄贈、個展開催の仲介の労を取ってくださった方へ贈る為でした。

この方は、ノルウェーを代表する美術品のコレクター。 私が駐日ノルウェー王国大使館に、「私の作品、版木をノルウェーの博物館に寄贈したい」旨のメールを入れた時に話を戻します。

申し込みを受けた大使館側は、私の作品の評価、そして博物館に収蔵する価値があるかどうかの判断を本国に問い合わせ、そのコレクターの方に意見を求めたのでした。

偶然にも、彼は私の作品を何点か所蔵していて、私の経歴や作品の事をよく知っていたのでした。そして、私の作品の寄贈を受けるように強く推してくださったのでした。

再び話をオスロに戻します。 私達夫婦の歓迎会の際、版画をコレクターの屋敷の一室で広げた時、取り囲んでいた皆の口から一様に驚きの声が上がりました。これだけの技術の現代作家の作品ははじめて見たと。 それを聞いた私も妻もとても誇らしく思ったものでした。
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