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岡本流生清内路通信

自画自解 36 一番星

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自画自解 36 一番星

36.一番星  シリーズ「初恋」より  2006年 11版

 バックの青のボカシも美しく、夢見る乙女の表情もよく描けた、好きな作品です。 妻が昔着ていた服で、私も気に入っていたものをモデルのSちゃんに着てもらい制作しました。 彼女には少しサイズが大きめだったと記憶しています。

但し、色や柄は私のデザイン。薊は野の花の中でも大好きな花。 さて、背景の白樺、白樺と言えば→夏の高原、夏の高原と言えば→恋する乙女。 私の頭の中では歌謡曲「高原列車」が聞こえていると・・・こんな流れの作品です。(時代遅れで、時代錯誤でもあることは百も承知で書いています)

ちなみに、今の私のアルバイト先、ふるさと村・自然園はまさにこの絵の舞台のようなところ。そこで今回の50年展を開くのですから、この絵は絶対に外せないなと。

2012年、京都で「第一回 国際木版画会議」が開催されました。二十二カ国、百名を超える参加者が、道具や材料、彫りや摺りの技法など、各テーマ別の分科会で意見発表をするものでした。

プログラムの期間中には、作品展やワークショップ、或いは伝統木版の彫師、摺師による実演も行われました。その摺りのデモンストレーションを依頼されたのが、日本を代表する名摺師の沼辺伸吉氏でした。

かれは、その実演の会場に浮世絵ではなく現代の伝統木版画を飾り、参加者に見てもらおうと考えました。その時彼が選んだのが、私の版画の師、吉田遠志先生の作品と私の「初恋」シリーズの作品だったのでした。そしてその彼が選んだ作品の中に、この「一番星」も入っていました。人物の周りの美しい青のぼかしを見せたかったのではないか? 私はそう思っています。

また、この時の、木版画の道具に関する展示では、私の開発した「流生モデル彫刻刀」も、ウッドライクマツムラ(木版画の材料、道具の専門店)さんのご厚意で会場に展示されました。初期モデルから今の最終的な形するまで、30年近くかかっただけに、多くの外国のアーチスト達に見て、さわって、試していただけた事は本当に嬉しいことでした。
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