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岡本流生清内路通信

往復書簡 Ⅱ

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往復書簡 Ⅱ

吉川さんもとうにお気づきのことと思います。私の作品には世の中、言い換えれば現代社会に対する何らかの≪メッセージ≫はひとかけらも含まれてはいません。

 私の作品はほぼ≪私小説の世界≫、自分のためにあるのです。この点が吉川さんの作る彫刻とは全く違うところです。私は自分の心に正直に描き続けることで≪自分とは何者か≫を問うているとも言えます。

ただ、これは前にも書いた事が有るのですが、「自分の心に正直に描いていれば、いつか必ず自分とよく似た誰かの共感を呼ぶ」 「その心に真っすぐ突き刺さることもある」 こう信じて私は制作を続けています。


・・・・お金、良い人生、地位、出世、名誉のためか・・・・吉川さんの問いかけ


まずお金のこと。 昔、ある大学の創立者の肖像画をと、同窓会から注文を受け版画で制作した事が有ります。遠志先生から振られた話でした。 限定280部  紙代や摺師の手間賃などの経費抜きで一枚あたり3千円の仕事でした。

この時の仕事は辛かった。 あれほど大好きな彫をやっていても何も楽しくないのです。話を振ってきた先生を少し恨みもしました。「もう二度と頼まれ仕事はしない」 こう決め、それ以後していません。

お金だけのためなら、キャンプ場の清掃係のほうがよっぽど楽しく幸せだから。
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